2010-01-01から1年間の記事一覧

第11話 『病は気から』

ことわざに『病は気から』と言うのがあります。意味は「病気は気の病、気のもちようで左右されるものだということ」です。また関連した喩えで、「病は気で勝つ」や「百病は気から起こる」と言うのがあります。 仏教では「気」とは、『天地自然の中に存在し、…

第10話 『祈りを忘れた大人達。祈りを知らない子供達。』

子供は親の背中を見て親に習い大人になると言います。祈りも同じで、信仰心の厚い親には、親孝行な子供が育つと言われています。 私は幼い頃、何時も遊びに行く所は近所のお寺と神社でした。母に手をひかれてお寺の境内で遊びました。お寺には鳩が沢山いて、…

第9話 『年寄りと老人の話』

ある人が言いました「年寄りでも生き方によって違うんだよね。ただ生きているだけの年寄りと、元気で野良仕事をしている年寄りとでは、張りが違うんだよ。ただ生きているよりも、どう生きるかという生き様なんだよね」と言ったのです。 そして更に「若い者で…

第8話 『十二因縁の話によせて』

仏教では前世(産まれて来る前の過去の世)と現世(今生きている世)と来世(産まれ変わってくる未来の世)の三世で分けられているのが十二因縁です。人間は産まれてきたときから現在までのことを過去と言い、今現在のことを現在と言い、年を取っていくこと…

第7話 『続々 十二因縁のお話』

この『十二因縁』はお釈迦様が説かれたものですが、現代科学を神仏のように信じている人達は、お釈迦様が説かれた仏の智慧を知ろうともしませんから、様々な災いに出会い、喜怒哀楽(六道輪廻・ろくどうりんね)を繰り返し、苦しみもがきながら年老いて死ん…

第6話 『続 十二因縁のお話』

『十二因縁』とは、過去世、現世、来世の三世の成り立ちを、御説法の中で示されたものです。「無明(むみょう)、行(ぎょう)、識(しき)、名色(みょうしき)、六入(ろくにゅう)(六処)、触(そく)、受(じゅ)、愛(あい)、取(しゅ)、有(う)、…

第5話 『十二因縁のお話』

『十二因縁(じゅうにいんねん)』は、『十二支縁起(じゅうにしえんぎ)』とも呼ばれています。 お釈迦様は、「人間は過去世」からの宿縁により、この世(此岸)に父母の生を受け産まれて来て、「生老病死の宿命により、あの世(彼岸)へ帰って行き、宿縁に…

第4話 『施餓鬼会』

『施餓鬼会(せがきえ)』の起源は、お釈迦様の十大弟子の一人である阿難尊者(あなんそんじゃ)が、お釈迦様の説法を聞き終わって、その説法を一人静かに樹陰(じゅいん)で三日間想念し、三晩目の夜も更けた時、突然髪の毛を逆立てて身体が痩せこけ、喉は…

第3話 『信、念、行』

最近の日本の人達は、『信、念、行』という言葉を忘れてしまったのかもしれません。 信、念、行とは、人間にとって一番大切な心と行動の事なのです。 辞書には『信』とは、真に通じるものと書かれてあり、「言行にうそ偽りがない事、まことと思い疑わない事…

第2話

4月3日と4月10日に、NHKで『大仏開眼』が放映されることになりました。東大寺の大仏は創建以来何度も破壊され、現在も老朽化が激しくなっています。江戸時代に再建された大仏殿の梁の丸太はおそらく今後修復の際に、日本で見つけることは出来ないで…

第1話

去年、唐招提寺が復元されました。 はるか昔754年に鑑真和上が初めて戒壇院を開いてから、 本当の仏教が始まったと伝えられています。 「あおによし」は奈良の枕詞ですが、 奈良は桜よりも馬酔木(あしび)がことのほか綺麗です。 いにしえ人が懸想文(け…