第4話 『施餓鬼会』

『施餓鬼会(せがきえ)』の起源は、お釈迦様の十大弟子の一人である阿難尊者(あなんそんじゃ)が、お釈迦様の説法を聞き終わって、その説法を一人静かに樹陰(じゅいん)で三日間想念し、三晩目の夜も更けた時、突然髪の毛を逆立てて身体が痩せこけ、喉は針のように細く、口から火炎を吐く、見るも恐ろしい焔口(えんこう)と言う名の一人の餓鬼が現れ、阿難尊者に向かって「お前は三日の後に命は終わり、我等と同じく餓鬼道(がきどう)に墜ちる」と告げたのです。尊者は恐怖して、「貴方は死を知り、なおかつ私の死後の場所まで知っているのなら、死から逃れる方法も知っているでしょう。その方法を教えて下さい。」と頼みました。「汝(なんじ)若(も)し明日無量無数の餓鬼並びに亡者どもに各々一杯ずつ飲食(おんじき)を施(ほどこ)し、汝が為に三宝(仏・法・僧)を供養すれば汝も命を長らえん、我等もこの餓鬼道の苦からまぬがれ天に生まれかわらん。」と申しました。阿難尊者は大変喜び、早速お釈迦様のところに参りましてその事をお話しますと、お釈迦様は「大慈悲心(だいじひしん)を起こして三界の有縁無縁一切の餓鬼に浄き飲食を施し、その功徳によって餓鬼道に墜ちて日夜苦しんでいる亡者を救ってやるがよい。この法を修すれば自分や自分の子供達や孫までも無量の福徳を得て、現世に於いて寿命も延長することが出来るであろう。その上に善根を積めば如何なる悪魔、病魔も害することは出来ない。」と仰せられました。阿難尊者は仰せのごとく供養を修して、すでに三日の後に終わる命が施餓鬼供養の功徳によって、七十有余の後までも長寿をなさったそうです。
阿難尊者の寿命は、その時代の平均寿命は四十歳でしたから、現代の平均寿命から言いますと百二十歳も生きられたことになります。http://blogs.yahoo.co.jp/kanzyun/MYBLOG/yblog.html