第13話 「お彼岸」によせて。

今年の「秋のお彼岸」は土曜、日曜、月曜の三連休です。お彼岸やお盆と言えば若い人達や若い家族の人達はレジャーウイークです。日本人の習性はみんなで渡れば怖くないです。混み混みの高速道路に三十キロ以上の渋滞はなんのその、混み混みのレジャー施設で揉みくちゃになり、疲れ果てて帰路についてもまたまた道路は渋滞、ウサギ小屋の日本人達のレジャーは侘びしいものです。
最近のお彼岸やお盆のお墓参りは殆どの人達が中高年です。中には近いうちにお仲間になりますとご挨拶に来る人達が多くいます。お彼岸の本当の意味は、お休みでもなく、墓参りに行くだけでもないのです。
仏教では人間が悟りの境地(きょうち)に達したところを「彼岸(ひがん)」と言います。それに対して煩悩(ぼんのう)と迷いの心で右往左往(うおうさおう)しているところを「此岸(しがん)」と言い、私のような凡人は「此岸」のまっただ中にいるようです。仏教では「彼岸」の事を絶対の悟りの境地「阿耨多羅三藐三菩提(あのくたらさんみゃくさんぼだい)」と言い、菩薩の境地とも言うそうです。
「彼岸」と言う悟りの境地に行く為の一つの方法に先祖の菩提を弔う追善供養があります。追善供養の中には僧侶を招いて廻向(えこう)をしてもらう、またお墓に塔婆(とうば)を供える等があります。さらにその上を行くのが寺院に寄進をすることで、寺院にとって大切な品や物を寄進すれば、その功徳(くどく)は自分や先祖だけではなく、寺院に参拝する人達への功徳でもあるのです。この行いを菩薩行(ぼさつぎょう)と言います。
またの機会にお話ししますが、六根清浄行として「六度行(ろくどぎょう)」があり、お供え物は、お水、塗り香(ぬりこう)、お花、お線香、供物、灯明です。

吉祥寺・昇華山阿羅耶識院本堂の
京都・奈良の名刹寺院の仏像(写仏)三十八体の一体
奈良薬師寺の薬師三尊 日光菩薩
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